「アメリカに着いたらTVerが見られない」という現実
W杯2026の観戦旅行でアメリカに到着し、ホテルで日本代表の試合ハイライトをTVerで見ようとしたら「お住まいの地域ではご利用いただけません」と表示される。これは実際に多くの海外渡航者が経験するトラブルです。
TVer、ABEMA、DAZNといった日本の動画配信サービスは、著作権や配信契約の関係で日本国内からのアクセスのみに制限されています。アメリカのIPアドレスからは視聴できません。
この問題を解決するのがVPN(Virtual Private Network)です。VPNを使って日本のサーバーを経由すれば、アメリカにいながら日本国内からアクセスしている状態を作れます。
アメリカ滞在中にVPNが必要な3つの理由
理由1:日本の動画配信サービスを見るため
W杯期間中、スタジアムで観戦できない試合はホテルで視聴することになります。しかし以下のサービスはすべて海外からのアクセスがブロックされます。
| サービス | 海外からの視聴 | VPN経由での視聴 |
|---|---|---|
| TVer | 不可 | 可能 |
| ABEMA | 不可 | 可能 |
| DAZN | 不可(日本版) | 可能 |
| NHKプラス | 不可 | 可能 |
| Netflix(日本版) | 自動で米国版に切替 | 日本版を維持 |
特にABEMAは無料でサッカー中継を放映することが多いため、VPNがあれば追加コストなしで試合を視聴できます。
理由2:フリーWiFiのセキュリティ対策
アメリカでは空港、ホテル、スタジアム周辺のカフェ、ファストフード店など、至るところにフリーWiFiがあります。便利ですが、以下のリスクが伴います。
- 通信の盗聴:暗号化されていないWiFiでは、同じネットワーク上の第三者に通信内容を傍受される可能性がある
- 偽アクセスポイント:正規のWiFiに見せかけた偽のアクセスポイントに接続させ、個人情報を抜き取る手口がある
- 中間者攻撃:通信の間に割り込み、ログイン情報やクレジットカード番号を盗む攻撃
VPNを使えば通信が暗号化されるため、仮に悪意のあるWiFiに接続してしまっても、データの中身を読み取られるリスクを大幅に軽減できます。
W杯の試合日にはスタジアム周辺に何万人もの人が集まります。その人混みの中でフリーWiFiに接続するのは、セキュリティ上かなり危険な行為です。VPNは「お守り」として必ずインストールしておきましょう。
理由3:日本のネットバンキングへのアクセス
海外からのアクセスを制限している日本の金融機関があります。三菱UFJ銀行や三井住友銀行などは海外からの利用自体は可能ですが、アクセス元の国によっては追加認証を求められたり、一部の機能が制限される場合があります。
VPNで日本のサーバーに接続しておけば、日本国内からのアクセスと同じ扱いになるため、こうした制限を気にせず利用できます。
ただし注意点があります。
- SMS認証が必要な銀行の場合、海外で日本の電話番号でSMSを受信できるか事前に確認してください
- 渡航前に利用している銀行の海外利用ポリシーを確認しておくことをおすすめします
- eSIMでデュアルSIM運用をしていれば、日本の電話番号でSMSを受信できるケースがほとんどです
主要VPNサービス 4社比較
W杯の観戦旅行は2〜3週間の短期滞在が多いため、短期プランのコスパと日本サーバーの品質を重視して比較します。
比較表
| 項目 | NordVPN | ExpressVPN | Surfshark | スイカVPN |
|---|---|---|---|---|
| 月額(1ヶ月プラン) | 約1,990円 | 約2,050円 | 約2,540円 | 約1,000円 |
| 月額(1年プラン) | 約750円 | 約1,000円 | 約500円 | 約800円 |
| サーバー数 | 7,400台以上 | 3,000台以上 | 3,200台以上 | 約50台 |
| サーバー設置国 | 118ヶ国 | 105ヶ国 | 100ヶ国以上 | 25ヶ国 |
| 日本サーバー | 東京・大阪(130台以上) | 東京 | 東京 | 東京・大阪 |
| 同時接続台数 | 10台 | 8〜14台(プランにより異なる) | 無制限 | 50台 |
| 日本語対応 | アプリ日本語対応 | アプリ日本語対応 | アプリほぼ日本語 | 完全日本語 |
| 返金保証 | 30日間 | 30日間 | 30日間 | 30日間 |
※ 料金は2026年4月時点の参考価格です。為替変動や割引キャンペーンにより変動します。
NordVPN
世界で最も利用者が多いVPNサービスの一つです。日本サーバーは東京と大阪に130台以上あり、接続の安定性と速度に定評があります。
- 独立した監査機関による安全性の検証を複数回実施しており、信頼性が高い
- 専用アプリはiOS・Android・Windows・Macすべてに対応
- 「Threat Protection」機能で広告やマルウェアもブロック
- 1ヶ月プランは約1,990円。2週間の滞在なら30日間返金保証を活用できる
ExpressVPN
通信速度の速さに定評があるサービスです。特にアメリカ国内のサーバーが充実しているため、安定した接続が期待できます。
- アップロード速度はVPN業界でもトップクラス
- 105ヶ国にサーバーを展開しており、どこにいても高速な接続が可能
- 操作画面がシンプルで、VPN初心者でも迷わず使える
- 1ヶ月プランは約2,050円とやや高めだが、速度重視の方向け
Surfshark
コストパフォーマンス重視なら有力な選択肢です。同時接続台数が無制限なので、家族全員のスマホ・タブレット・PCをまとめて保護できます。
- 同時接続台数が無制限。家族4人のスマホ+PCすべてに使える
- 1年プランなら月額約500円と、大手VPNの中で最安クラス
- 広告ブロック・メール漏洩チェック機能も搭載
- 日本語UIは大部分対応しているが、サポートは英語中心
スイカVPN
日本の会社が運営する純国産VPNサービスです。海外から日本のサービスにアクセスすることに特化しています。
- サポートが完全日本語対応。メールでの問い合わせも日本語でOK
- 1ヶ月プランが約1,000円と、短期利用では最安
- 日本のサーバーに特化しているため、TVer・ABEMA等の視聴に強い
- サーバー数は約50台と少なめだが、日本向け利用なら十分
2週間の短期利用に最適なプランの選び方
W杯の観戦旅行が2〜3週間の短期滞在であれば、以下の戦略が有効です。
戦略1:1ヶ月プラン+返金保証を活用
NordVPN・ExpressVPN・Surfshark・スイカVPNのいずれも30日間の返金保証があります。1ヶ月プランを契約し、帰国後に返金申請をすれば実質無料で使えます。
ただし、返金手続きの手間を考えると「そのまま使い続ける」人も多いです。返金を前提に契約する場合は、帰国後すぐに申請することを忘れずに。
戦略2:コスト最優先ならスイカVPN
短期利用で最もコストを抑えたいなら、1ヶ月約1,000円のスイカVPNが最適です。日本の動画配信サービスを見ることが主目的なら、サーバー数の少なさは気になりません。
戦略3:家族旅行ならSurfshark
家族4人でアメリカに行く場合、全員分のスマホとタブレットを1つの契約でカバーできるSurfsharkが合理的です。1年プランなら月額約500円で、デバイス数の制限がありません。
スマホ・PCでのVPN設定の流れ
VPNの設定は難しくありません。どのサービスも基本的な流れは同じです。
スマホ(iPhone / Android)の場合
- App Store / Google Playで利用するVPNのアプリをダウンロード
- アプリを開いてアカウントを作成(メールアドレスとパスワード)
- プランを選んで決済
- アプリ上で「日本」のサーバーを選択して「接続」をタップ
- 初回のみ「VPN構成の追加を許可しますか?」という確認が表示されるので「許可」
所要時間は5〜10分です。渡航前に日本で設定を済ませておくことを強くおすすめします。現地で「繋がらない」と焦ることがなくなります。
PC(Windows / Mac)の場合
- VPNの公式サイトからデスクトップアプリをダウンロード
- インストールしてログイン
- サーバー一覧から「Japan」を選択して接続
PCの場合もアプリが用意されているので、手動でVPN設定をいじる必要はありません。
VPN利用時の注意点
- 日本のサーバーに接続した状態だと、アメリカのサービスにアクセスしにくくなる場合があります。Uber等を使うときはVPNをオフにしてください
- 接続先を「日本」と「アメリカ」で切り替える場面が出てくるので、アプリのワンタップ切替に慣れておきましょう
- バッテリー消費がやや増えます。モバイルバッテリーの携帯も忘れずに
無料VPNは避けてください
「無料VPN」という選択肢もありますが、短期の旅行でも有料VPNを使うべきです。
- 無料VPNの多くは通信速度が遅く、動画視聴に耐えられない
- 運営元が不透明で、ユーザーの通信データを収集・販売しているケースが報告されている
- 接続が不安定で、肝心なときに繋がらない
- 日本のサーバーが用意されていない場合が多い
セキュリティを守るために使うVPNが、逆にセキュリティリスクになっては本末転倒です。月1,000〜2,000円のコストで安心を買えるなら、有料VPN一択です。
まとめ:渡航前にVPNアプリをインストールしておこう
VPNは現地に着いてから慌てて探すものではありません。日本にいる間にアプリのインストールと初期設定を済ませ、実際に日本のサーバーに接続できることを確認しておきましょう。
| あなたの状況 | おすすめVPN | 理由 |
|---|---|---|
| 初めてVPNを使う | NordVPN | 日本語対応・安定性・情報量の多さ |
| 費用を抑えたい(短期) | スイカVPN | 1ヶ月約1,000円で最安 |
| 家族全員で使いたい | Surfshark | 同時接続台数が無制限 |
| 速度を最優先したい | ExpressVPN | アップロード速度がトップクラス |
W杯2026は一生に一度の体験です。VPNの準備を怠ったせいで、ホテルで日本代表の試合を見逃したり、フリーWiFiでクレジットカード情報を盗まれたりすることがないよう、渡航前にしっかり準備しておきましょう。