トレイルランニングシューズの選び方(要点)
トレイル(山道・未舗装路)は、ロード(舗装路)と違って滑りやすい路面・岩・木の根・下りの強い衝撃・濡れがあります。だからロード用シューズをそのまま山で使うと、下りで滑って転倒したり、岩でつま先を痛めたりしやすくなります。トレイル用シューズは、深いラグ(アウトソールの突起)で土や泥を噛むグリップ、つま先や足裏を守るプロテクション、そして下りの衝撃を受け止めるクッションを備えているのが特徴です。下の早見表から、優先したい項目で1足を選んでください。
| 用途・優先項目 | おすすめモデル | 価格 | 確認 |
|---|---|---|---|
| グリップ・クッションのバランス。初めての山の1足 | HOKA スピードゴート 7 | ¥23,100 | 見る → |
| ぬかるみ・柔らかい路面で滑りたくない | サロモン スピードクロス 6 | ¥18,700 | 見る → |
| 沢・雨・泥に強い防水ゴアテックス | アシックス TRABUCO 14 GTX | ¥22,000 | 見る → |
| 軽くて扱いやすい万能オールラウンド | サロモン センスライド 5 | ¥18,700 | 見る → |
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トレイルとロードで、シューズはどう違うのか
同じ「走る靴」でも、トレイル用とロード用は設計思想が異なります。ロード用は平らな舗装路を効率よく速く走ることに最適化されていますが、山道ではその特性がかえって不利に働きます。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | トレイル用 | ロード用 |
|---|---|---|
| アウトソール | 深いラグ(3〜6mm)で土・泥・岩を噛む | 浅い溝。舗装路のグリップとフラットな接地 |
| プロテクション | トゥガード・岩から足裏を守る補強 | 基本的になし(軽量優先) |
| ドロップ | 低め(4〜8mm)が多く、下りで安定 | 8〜10mmが主流 |
| アッパー | 不整地で足がぶれないよう締まる作り | 通気・軽さ優先 |
| 防水 | GORE-TEX搭載モデルがある | 通常は非防水 |
つまり、山を走るなら「滑らない・足を守る・下りで安定する」という、ロードとは別の評価軸でシューズを見る必要があります。
シューズ選びで押さえるポイント
グリップ(ラグの深さ・パターン・ラバー)
トレイルシューズの要はアウトソールです。見るべきは3点あります。
- ラグの深さ:突起が深い(5mm前後)ほど、ぬかるみや柔らかい土に食い込んでグリップします。逆に整備された林道や乾いた土では、浅めのラグでも十分です。
- パターン:泥がラグの間に詰まると滑るため、泥が抜けやすい(泥落ちの良い)配置かどうかも大切です。
- ラバーの粘り:濡れた岩の上では、ラグの深さより「粘るラバー」が効きます。Vibram Megagrip(HOKA スピードゴートなど)は、濡れた岩場でのグリップに定評があります。サロモンは独自のContagrip、アシックスはASICSGRIPを使っています。
初心者はまず「ぬかるみ中心なら深いラグ」「岩場中心なら粘るラバー」を目安にすると選びやすくなります。
プロテクション(つま先・足裏の保護)
山道には岩や木の根が突き出ています。トゥガード(つま先の補強)があると、石にぶつけたときに爪や指を守れます。また、鋭い石の突き上げから足裏を守るロックプレートを内蔵するモデルもあり、ゴツゴツした岩場を走る人には安心材料になります。
防水/撥水(GORE-TEXのトレードオフ)
沢を渡る、雨の日に走る、泥がひどい――そういう場面では、GORE-TEX搭載モデルが水の侵入を防いでくれます。ただし防水素材は通気性が落ちるため、夏場や汗をかく場面では中が蒸れやすいというトレードオフがあります。乾いた季節・低山中心なら非防水(通気重視)、残雪期・雨・沢が多いならGTX、と使う環境で選び分けるのが基本です。
クッションとドロップ(下りの衝撃)
トレイルは下りで着地衝撃が大きくなります。クッションが厚いほど脚は疲れにくくなりますが、その分だけ路面の情報は伝わりにくくなります。ドロップ(かかとと前足部の高低差)はロードより低め(4〜8mm)のモデルが多く、低ドロップは下りで前のめりになりにくく安定しやすい一方、ふくらはぎに負担が出やすい面もあります。感じ方には個人差があるため、可能なら試し履きで確かめてください。
ホールド/フィット(不整地で足がぶれない締め)
不整地では足が横にぶれると捻挫のリスクが上がります。トレイルシューズは中足部をしっかりロックする作りが多く、かかとが浮かない・つま先に適度な余裕があるフィットを選ぶと、下りでも足が前に滑らず安心です。
おすすめ4モデル

- カテゴリトレイル / オールラウンド
- ドロップ5mm
- 重量約275g(28.0cm・メンズ片足)
- ミッドソールスーパークリティカル発泡EVA(クッション性強化)
- アウトソールVibram® Megagrip(トラクションラグ / 5mmラグ)
- ワイズレギュラー / ワイド(メンズ)
- 対象初〜中級・短〜中距離トレイル

- カテゴリトレイル / グリップ重視
- ドロップ10mm
- 重量約298g(27.0cm・メンズ片足)
- ミッドソールEnergyCell™+(反発性の高いクッション)
- アウトソールMud Contagrip®(深いシャープなラグ・泥落ち改善)
- フィットSensiFit™で中足部をしっかりホールド
- 対象泥・柔らかい路面・急坂

- カテゴリトレイル / 防水(GORE-TEX)
- ドロップ8mm
- 重量300g未満(メンズ・GTX搭載)
- ミッドソールFF BLAST MAX(前作より2mm増量)
- アウトソールASICSGRIP(濡れた岩場・泥道でのトラクション)
- 防水GORE-TEX INVISIBLE FIT(自然なフィットと防水透湿)
- 対象雨天・沢・残雪期・泥の多いトレイル

- カテゴリトレイル / オールラウンド
- ドロップ8mm(かかと29.6mm / 前足部21.3mm)
- 重量約286g(27.0cm・片足)
- ミッドソールEnergy Save(クッションと反応性のバランス)
- アウトソールAll Terrain Contagrip®(3.5mmラグ・全路面対応)
- アッパー軽量でしなやかな3Dメッシュ
- 対象初〜中級・短〜長距離のオールラウンド
4モデル比較表
| モデル | 価格 | ドロップ | 重量 | アウトソール | ラグ | 防水 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| HOKA スピードゴート 7 | ¥23,100 | 5mm | 約275g | Vibram Megagrip | 5mm | 非防水(7にGTX版なし・6 GTXは有) |
| サロモン スピードクロス 6 | ¥18,700 | 10mm | 約298g | Mud Contagrip | 深い鋭いラグ | 非防水(GTX版別あり) |
| アシックス TRABUCO 14 GTX | ¥22,000 | 8mm | 300g未満 | ASICSGRIP | 中程度 | GORE-TEX |
| サロモン センスライド 5 | ¥18,700 | 8mm | 約286g | All Terrain Contagrip | 3.5mm | 非防水(GTX版別あり) |
条件別の推し
グリップとクッションのバランスで迷わない1足 → HOKA スピードゴート 7(¥23,100)
Vibram Megagripのグリップと厚いクッションを両立。路面を選ばず、初めての山でも扱いやすい定番。
ぬかるみ・柔らかい路面で滑りたくない → サロモン スピードクロス 6(¥18,700)
深く鋭いラグが泥や柔土に食い込む。急坂や雨後のぬかるんだトレイルで頼りになる。
雨・沢・残雪期の防水が欲しい → アシックス TRABUCO 14 GTX(¥22,000)
GORE-TEXの防水とASICSGRIPの吸い付くグリップ。濡れの多い季節・フィールドに。
1足で色々な路面を軽快に → サロモン センスライド 5(¥18,700)
All Terrain Contagripで全路面に対応。軽くて足あたりが柔らかく、初心者の入門にも。
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安全に山を走るために
トレイルランは自然の中を走る楽しさがある一方、ロードにはない危険もあります。シューズ選びと合わせて、次の点に気をつけてください。
- 濡れた岩・木の根は最も滑りやすい:どんなにグリップの良いシューズでも、濡れた一枚岩やコケの生えた岩、濡れた木の根は滑ります。無理に走らず、滑りやすい箇所は歩いて通過してください。
- 下りはスピードを出しすぎない:下りは着地衝撃が大きく、転倒すると大けがにつながります。慣れないうちは下りで抑えて走り、視線を先に置いて路面を読むことを意識してください。
- 無理な計画を立てない:距離・標高・想定時間に余裕を持たせ、日没時刻の前に下山できる計画を立てましょう。初めての山は、まず短いコースで足慣らしをしてから距離を伸ばすのが安全です。
- 単独・悪天候を避ける:初心者のうちは単独行や悪天候での入山は避け、経験者と一緒に走る、天候が崩れそうなら中止するといった判断を優先してください。
- 装備を軽視しない:水・行動食・雨具・地図やGPS・携帯電話などの最低限の装備を携行し、コースと下山予定を家族などに伝えておくと安心です。
よくある疑問
ロード用のランニングシューズで山を走ってはいけませんか?
短くて整備された平坦な道なら走れないことはありませんが、おすすめはできません。ロード用は浅い溝のアウトソールで、濡れた土や岩・下り坂で滑りやすく、つま先の保護もありません。転倒や捻挫、爪のトラブルを避けるためにも、山道を走るならトレイル用のシューズを用意してください。
ラグは深いほど良いのですか?
路面によります。ぬかるみや柔らかい土では、深いラグ(スピードクロス 6など)が食い込んでグリップします。一方、乾いた林道や硬い岩場では、深いラグはかえって接地感が硬く不安定に感じることもあり、濡れた岩では「粘るラバー」(Vibram Megagripなど)のほうが効きます。走る場所が泥中心なら深いラグ、路面がさまざまなら中程度のラグ(センスライド 5など)を選ぶとバランスが取れます。
GORE-TEX(防水)モデルは必ず必要ですか?
必須ではありません。防水モデルは雨・沢・泥・残雪期に強い反面、通気性が落ちて夏場は蒸れやすくなります。乾いた季節に低山を走るのが中心なら、通気性の良い非防水モデルのほうが快適なことが多いです。雨の多い季節や沢渡り・残雪期に走る予定があるなら、TRABUCO 14 GTXのようなGORE-TEX搭載モデルを選ぶと安心です。
ドロップは低いほうが良いのですか?
一概には言えません。低ドロップ(4〜5mm)は下りで前のめりになりにくく安定しやすい反面、ふくらはぎやアキレス腱への負担が出やすい面があります。ロードで8〜10mmのシューズに慣れている人は、いきなり低ドロップにすると違和感が出ることもあるため、まずは8mm前後(センスライド 5、TRABUCO 14 GTX)から入り、慣れてから低ドロップを試すのも一つの方法です。感じ方には個人差があるので、可能なら試し履きで比べてください。
サイズは普段のランニングシューズと同じで良いですか?
長い下りでは足が前に滑り、つま先が靴の先端に当たって爪を痛めることがあります。トレイルシューズは、つま先に少し余裕を持たせる(普段より0.5cmほど大きめ)とトラブルを避けやすくなります。ただしかかとが浮くほど大きいと不整地で足がぶれるため、かかとはしっかり固定できるフィットを選んでください。実店舗での試し履きが確実です。
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